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メンテナンスした除草機で除草

昨日はかなり忙しい土曜日でした。朝ブログを書き終えてから向かったのは

世界農業遺産認定の原動力になった輪島市の白米千枚田(しろよねせんまいだ)です。ご覧のようにほとんど田植え機の入らない小さな田んぼの集合体ですが、人の手で守られてきた風景はやはり美しさが違いますね。

そこで行われていたのは水苗代(みずなわしろ)という古来の日本で行われてきた育苗手法です。田植えの時期を決めたら、それに合わせて田んぼに種もみを直接撒いて育苗し、ある程度まで育ったら手作業で丁寧に田んぼから取り出して一握りづつに束ねて手植え専用の苗に仕上げる作業です。

苗が出来たら、その苗をカゴに入れて移動して田植えを行います。

長年手植えによる田植えを行なってきた地域の女性の田植えの速度に驚きます。動きには一切無駄がなく物凄い速度で田植えを行なってゆきます。
白米千枚田では1004枚ある田んぼのうち12枚を水苗代による苗を使って田植えをおこなっています。消滅しつつある伝統の稲作を後世に伝えてゆこうという活動だそうです。美しい日本の稲作の歴史を知る事が出来て良かったです。

水苗代の見学のあとは仕事で田んぼの親方とほぼ1日を外で過ごし、夕方6時からは田んぼに入る事が出来ました。
前日修理した除草機を使っての除草作業です。最初に入ったのは慣行栽培で作付けを行なっている水田です。

田植え機には除草剤の散布機が取り付けられているのですが、この田んぼを含め初期に田植えを行なった田んぼには散布機のトラブルにより除草剤が撒かれておらず草が伸び放題なのです。

主にヒエが生い茂ってきているのですが、これではこの後除草剤を使うにしても酷いので、一部を除草機による物理的除草処理を行います。

山下達郎を聴きながら鼻歌まじりに除草作業を行います。メンテナンスした除草機は前回までの不調が嘘のように絶好調で、どんどんヒエを退治してゆきます。
去年までは、ヒエの増殖するパワーに圧倒されて親方に泣きついていましたが、今年は物理的に戦う事が出来たので精神的にとても安心感がありました。
このまま減農薬で作付けしようかなと思うのですが、農協さんへ供出する水田なので農協さんの指定するような作り方じゃないとダメなのかもしれませんね。

ちなみにこの水田では石川県の開発した「ひゃくまん穀」という品種のお米を育てています。粒が非常に大きいのが特徴で、収量もあるので我が家でも1枚採用してみました。専門の部会もあるらしいので来年は参加してみようかと思います。

慣行栽培水田の部分除草を終えたら自然栽培水田へ移動です。

ここは2回目の除草ですが、とてもコンディションが良く田んぼの中もとても澄んでいて良い感じです。

ただ、親方が田植えを行なったのですが、田植えがあまり上手く行われていないため除草機を走らせるのが難儀で参ります。

なので来年からは自分が植えようと思います。除草機を通す前提で植えるのと、稲刈りまで田んぼに入る事のない前提での田植えは神経の使い方が全く別なのですね。除草機の走り方を知らない親方にそれを求めて仕方ありませんので、ここは自分が植えると言えなかった自分の落ち度として反省します。

ここでも山下達郎のベストを聴きながら作業していたのですが「しじま?」「ちじま?」って達郎が連呼してるけれど、それは何?と考えながらコース取りの難しい田んぼの中を歩き回っていました。

ふと見上げると思わずうわ〜〜〜と声が出るほど美しいマジックアワーになっていました。(今日の表紙の写真もその時の写真です)

こんなに美しい風景の中で作業できて本当に幸せだな。
心からそう思いました。
みなさんも昨日の美しい夕焼け堪能できましたか?

この除草作業により自然栽培の田んぼの除草も2回目が終わりました。10日後に3回目の除草を行なったら今年の除草作業は完了です。
自然栽培の田んぼでは「ノトヒカリ」というコシヒカリを品種改良して早稲品種にした石川県のブランド米を育てています。
耕作放棄地を開墾して田んぼにしたので恐らく肥料成分過多だと思われるので肥料をバカ食いするノトヒカリの方がコシヒカリより1年目としては良いのではないかとの先輩農家の皆さんのアドバイスを参考にさせていただきました。
逆に言うと自然栽培には本来向かない品種なので今年収穫予定の自然栽培のノトヒカリはとても貴重なお米になると思います。
8月末には収穫時期を迎えますので皆さんへのご予約の案内は7月中旬ごろを予定していますが、収量的に200キロが上限かと思いますので数量限定販売となると思います。

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